草木染めの基本的な流れ

9か月前 草木染め

草木染めを始めようと色々な本やブログを見て回ると、それぞれのこだわりがあって面白いですね。大まかな流れや道具は似ているものの「感覚的」な分量や配分があったりと、草木染めの自由さを感じられます。私たちも2021年頃から草木染めに着手してきましたが、大雑把な性格の集まりのくせに自由にやっちゃうもんだから、色がほとんど入らない結末が当たり前となっていました。

なんやかんやで殴り書きで残してきたメモを頼りに【基準】が出来上がってきましたので、改めてここに書き記しておこうと思います。完成系ではないので執筆時点でのものになりますが、参考になれば幸いです。

必要な材料

染めたいもの絹・綿・麻・羊毛など
染液にする草木草・枝・花・根など
濃染液ディスポンなど
媒染用の素材アルミ・鉄・銅・チタンなど
中性洗剤染めるものを中性(pH7)に
カセットコンロカセットボンベ1つでおおよそ3回つくれる
デジタルはかり0.1g単位で計れると最高
デジタル水温計60℃、80℃らへんに温度調整するときに利用
水切りネット煮出した素材カスを混入させないため
リトマス試験紙pH値を視覚で見れると安心
ステンレス製の鍋1煮出し用に。スカーフなどを染めるなら2リットルくらいの水が入るサイズが好ましい。ステンレス製厳守
ステンレス製の鍋2媒染用に。鍋1と同等のサイズが好ましい。ステンレス製厳守
水洗い用の洗面器白柄のものにしておくと、水洗い時に出てくる色が見えて判断しやすい。素材は何でも良い。染めるもののサイズに合わせて
菜箸(さいばし)ステンレス製が100均に売ってる
透明ビン2、3個あると便利。1番液~3番液を保存したり冷ましたりするのに利用
漏斗(ろうと/じょうご)透明ビンに移すときに安心

染められる素材(繊維)について

一般的に天然繊維には【植物繊維】と【動物繊維】の2種類に分けられます。

植物繊維綿(コットン)、麻(リネン)など
動物繊維絹(シルク)、羊毛(ウール)など

ここで覚えておきたいのは、植物がもつ色素の多くはタンパク質と結びつきやすい性質があるという点です。動物繊維にはそれ自体にタンパク質を含んでいますが、植物繊維である綿(コットン)、麻(リネン)などには含まれていません。そのため、植物繊維の素材で染める場合にはタンパク処理を行う必要があるのを覚えておくとよいでしょう。ただし、まったく染まらないというわけでもないです。これは【濃染処理】とも言われるように、より濃く染めるには必要であるということです。

濃染のために必要なものはタンパク質ということが分かりました。つまり、タンパク質が豊富なものを染める素材に漬け込んで吸着させていきます。よく使われている材料は下記などがあります。

  • 濃染剤(商品名:ディスポン)
  • 豆乳
  • 豆汁
  • 牛乳

結論から言ってしまうと、濃染剤(ディスポン)の一択です。一度に使う量も少なく、単価も安いです。そして濃さも一目瞭然の違いがでます。豆乳で試していた時期もありましたが、生地に染み込ませた匂いに誘われたのかハエがたくさん寄ってきました。夏場は特に腐りやすい点も含めて安易におすすめできません。ただ、自然素材にこだわりたい場合は豆汁で手間をかけて準備しましょう。

草木染めの流れ

染める生地の重さを計る
  • 草木染めに使う水の量や素材の分量は、染める生地の重さを基準に考える
染めたい草木を集めてくる
  • 鮮度が大切なので、作業の直前に集めてくるのがベスト。
  • 生地の重さに対して20~50%
  • 例)生地100g:草木20~50g
生地を洗う
  • 中性洗剤を入れた60℃くらいのお湯で洗う。
濃染の準備
  • ディスポンを使って濃染処理をおこなう
  • 水1リットル:ディスポン3~4mL
  • 80~90℃の熱湯を用意し、ディスポンを溶かす
  • 生地を入れ、15~20分程度。時々動かしてあげる
  • 時間が経ったらしっかり水洗いをする
  • 商品に記載されている通りにやれば大丈夫
染料を煮出す
  • 準備した草木を適当な長さに切り、鍋に投入しておく
  • ステンレス鍋に水1リットルを入れ、火にかける
  • 鍋蓋をして強火で20分かけて煮出す
できた染液を冷ます
  • 20分経ったら、晒し布や細かい水切りネットなどで濾しながら水分だけに分ける
  • 60℃くらいまで冷ますため、別のステンレス容器に移す
生地を染液に入れる
  • 生地は乾いていないほうがいい
  • 生地の水気を絞ってから、60℃程度の染液に入れる
  • 生地は水面から出ないように
  • 水面で生地を動かしつつ、たまに持ち上げて空気に触れさせる
  • 15~20分経ったら取り出す
水洗い1回目
  • 入らなかった染料を洗い流す
  • ムラ防止のため
媒染液をつくる
  • 比率は、生地の重さ:生地の10%の媒染剤:生地の40倍の水
  • アルミ媒染/生地10g:生ミョウバン1g:水400mL
  • 鉄媒染/生地10g:木酢酸鉄液1g:水400mL
  • 常温で大丈夫
  • よく混ぜること
媒染液に浸す
  • 水洗いしておいた生地を浸しておく
  • 15~20分間ほど経ったら、取り出して絞る
水洗い(2回目)
  • 入らなかった染料を洗い流す
  • ムラ防止のため
染液に入れる(2回目)
  • もし染液の温度が低くなっていたら、60℃程度まで上げる
  • 生地は水面から出ないように
  • 水面で生地を動かしつつ、たまに持ち上げて空気に触れさせる
  • 15~20分経ったら取り出す
しっかり水洗い
  • 白い容器で洗うと、水の色がよくわかるのでオススメ
  • 水の色が透明になるまで洗う
  • 日陰干しで乾かす

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