草木染めの基本的な流れ
草木染めを始めようと色々な本やブログを見て回ると、それぞれのこだわりがあって面白いですね。大まかな流れや道具は似ているものの「感覚的」な分量や配分があったりと、草木染めの自由さを感じられます。私たちも2021年頃から草木染めに着手してきましたが、大雑把な性格の集まりのくせに自由にやっちゃうもんだから、色がほとんど入らない結末が当たり前となっていました。
なんやかんやで殴り書きで残してきたメモを頼りに【基準】が出来上がってきましたので、改めてここに書き記しておこうと思います。完成系ではないので執筆時点でのものになりますが、参考になれば幸いです。
必要な材料
染めたいもの | 絹・綿・麻・羊毛など |
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染液にする草木 | 草・枝・花・根など |
濃染液 | ディスポンなど |
媒染用の素材 | アルミ・鉄・銅・チタンなど |
中性洗剤 | 染めるものを中性(pH7)に |
カセットコンロ | カセットボンベ1つでおおよそ3回つくれる |
デジタルはかり | 0.1g単位で計れると最高 |
デジタル水温計 | 60℃、80℃らへんに温度調整するときに利用 |
水切りネット | 煮出した素材カスを混入させないため |
リトマス試験紙 | pH値を視覚で見れると安心 |
ステンレス製の鍋1 | 煮出し用に。スカーフなどを染めるなら2リットルくらいの水が入るサイズが好ましい。ステンレス製厳守 |
ステンレス製の鍋2 | 媒染用に。鍋1と同等のサイズが好ましい。ステンレス製厳守 |
水洗い用の洗面器 | 白柄のものにしておくと、水洗い時に出てくる色が見えて判断しやすい。素材は何でも良い。染めるもののサイズに合わせて |
菜箸(さいばし) | ステンレス製が100均に売ってる |
透明ビン | 2、3個あると便利。1番液~3番液を保存したり冷ましたりするのに利用 |
漏斗(ろうと/じょうご) | 透明ビンに移すときに安心 |
染められる素材(繊維)について
一般的に天然繊維には【植物繊維】と【動物繊維】の2種類に分けられます。
植物繊維 | 綿(コットン)、麻(リネン)など |
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動物繊維 | 絹(シルク)、羊毛(ウール)など |
ここで覚えておきたいのは、植物がもつ色素の多くはタンパク質と結びつきやすい性質があるという点です。動物繊維にはそれ自体にタンパク質を含んでいますが、植物繊維である綿(コットン)、麻(リネン)などには含まれていません。そのため、植物繊維の素材で染める場合にはタンパク処理を行う必要があるのを覚えておくとよいでしょう。ただし、まったく染まらないというわけでもないです。これは【濃染処理】とも言われるように、より濃く染めるには必要であるということです。
濃染のために必要なものはタンパク質ということが分かりました。つまり、タンパク質が豊富なものを染める素材に漬け込んで吸着させていきます。よく使われている材料は下記などがあります。
- 濃染剤(商品名:ディスポン)
- 豆乳
- 豆汁
- 牛乳
結論から言ってしまうと、濃染剤(ディスポン)の一択です。一度に使う量も少なく、単価も安いです。そして濃さも一目瞭然の違いがでます。豆乳で試していた時期もありましたが、生地に染み込ませた匂いに誘われたのかハエがたくさん寄ってきました。夏場は特に腐りやすい点も含めて安易におすすめできません。ただ、自然素材にこだわりたい場合は豆汁で手間をかけて準備しましょう。
草木染めの流れ
- 草木染めに使う水の量や素材の分量は、染める生地の重さを基準に考える
- 鮮度が大切なので、作業の直前に集めてくるのがベスト。
- 生地の重さに対して20~50%
- 例)生地100g:草木20~50g
- 中性洗剤を入れた60℃くらいのお湯で洗う。
- ディスポンを使って濃染処理をおこなう
- 水1リットル:ディスポン3~4mL
- 80~90℃の熱湯を用意し、ディスポンを溶かす
- 生地を入れ、15~20分程度。時々動かしてあげる
- 時間が経ったらしっかり水洗いをする
- 商品に記載されている通りにやれば大丈夫
- 入らなかった染料を洗い流す
- ムラ防止のため
- 入らなかった染料を洗い流す
- ムラ防止のため